4-3.ジャスト・ビー・ウィズ・ユーJust Be With You-パッションズThe Passions(マーブ・カルフィンMarv Kalfin)
59年8月オーディコンAudiconのシングルとして発売:ポップ69位
もしあなたが意欲的なミュージシャンで、ポール・サイモンPaul Simonとキャロル・キングCarol Kingが歌う新しいデモを渡されたら、少なくても聞いてみるだけはする?きっとするよ。
でも50年代後半に、この二人の素晴らしい人たちは有名人には程遠く、当時のたくさんの独立系レコード・レーベルに採用してもらえるように数えきれないくらいのデモを録音し、今日たくさんのグループが、特にサイモンに会うか聞いて、その申し出の一つを断ったと言っている。
パッションズはそうではなかった。サイモンとキング(『カズンズThe Cousins』と名乗っていた)が「ジャスト・ビー・ウィズ・ユー」を歌うのを聞いて、すぐに自分たちのバージョンをレコーディングし、イースト・コースト・チャートでは上位に入り、全国チャートでは中位に上がった。
このグループは、ジミー・ギャラハーJimmy Gallagherの滑らかなリード・ボーカルをフィーチャーし、優れた地元(ベンソンハースト)のシンガーの集団から形成され、このシンガーたちは、とりわけミスティックスThe Mysticsを誕生させた。
グループの次のシングル、「アイ・オンリー・ウォントゥ・ユーI Only Want You」は、これもまた優れたレコードだが、この曲と同様に素晴らしい裏面の曲との間で注目が2分されたので、最初のヒットに比べると低迷した。
結局このグループは、キャディラックスThe Cadillacsの「グローリアGloria」の素晴らしいレコードでも同じように有名になったが、これはほとんどの白人グループが上手く演奏しなかった(できなかった)曲だった。
1963年までに――よくある話だが――グループは解散し、良い出来のドゥーワップの録音がたくさん残され、最初にリリースされたときには売れなかったにもかかわらず、今日でも切望されている。